ある新たな研究によって、妊娠中の女性や新生児がプロバイオティクスを摂取することにより、幼児期のアレルギーが予防される可能性があることが明らかになりました。(注1)
両親のどちらか、または兄や姉がアレルギー体質である場合、生まれたすべての乳幼児にアレルギーを発症する危険性があります。統計では、その場合、2歳までに35%の子供たちがアトピー性皮膚炎を発症しています。
妊娠している女性グループは、出産予定日の数週間前から毎日プロバイオティクスのサプリメントを摂り、生まれた後6ヶ月間は、母乳の場合は母親、ミルクの場合は乳児が直接プロバイオティクスを摂りました。
すると、プロバイオティクスを与えられた子供たちは、アトピー性皮膚炎を発症する割合が50%も低かったという結果がでました。
なぜプロバイオティクスがアレルギーを防ぐのかは、はっきり分かっていませんが、世界中でアレルギー性疾患が増加しているのは、無菌環境が広がっているせいではないかという仮説があります。
それは、乳幼児が早い時期に細菌類にさらされると、免疫システムが感染症と戦うモードとなり、害のない物質へ過剰反応する傾向はなくなるのですが、現代は清潔で無菌環境が増えているため、本来害のない物質に過剰に反応してしまうというものです。
この調査の結果は、腸内に生息するプロバイオティクスは、免疫システムがアレルギー反応を起こさないために重要な役割をしているのではないかということを示唆しています。
プロバイオティクスは、ヨーグルトや発酵食品に含まれています。発酵食品には味噌、しょうゆ、お酢、みりん、漬物、チーズ、納豆、甘酒などがありますが、様々な種類のプロバイオティクスを摂取するには、ビフィズス菌を始め多くのプロバイオティクスを含む「でるサポート」をお勧めします。
(注1:アレルギーと臨床免疫学に関する雑誌であるJournal of Allergy & Clinical Immunology 109巻 1号 pp 119-121での報告による)